プロが、素人から質問を投げかけられて、
「そんな素人考えではだめだ」
とか、
「あなたねぇ。。私はこの世界で何十年も。。」
と返答するとき、そのプロは予想しないつっこみに動揺しているか、あるいは即答できない事を無意識にごまかそうとしています。
プロとしてさまざまな経験を何年もにわたって積んできた人でも、その業界の事を何も知らない人達からの、素朴な(でも鋭い)質問を受けて、うろたえることがよくあります。
それは、素人は業界の常識を無視した質問をするからです。
私が10年も船に乗って陸上勤務となった時、2000年の8月に初めて不定期船運航チームの「船の現場を知らない素人達」の上司として、上目線で勤務を開始した日に、チームのみんなが歓迎会を開いてくれました。
「船に何年も乗って仕事してきたなんてすごいですねぇ~」とおだてられて、さらに背筋を反り返らせながら、「まぁ、船のことなら何でも聞いていいから。」と調子に乗る私が最初にうけた質問って、何だったと思いますか?
「すいません。船って鉄の塊なのにどうして浮くんですか?」
「・・・。」
場がしらけるほど、なんにも答えられませんでした。
と同時に、(俺って、こんな単純な質問にも答えられないの?)と、今までのプライドが吹っ飛んで、その後の事はほとんど覚えていないぐらいにへこみました。
(こんな常識を、何故かと聞かれて即答できないのは、どういうことなんだろう。。)と。
でもおかげで、このとき以降、自分の中で無条件に信じてきた、いわゆる常識を一から見直してみる癖が生まれました。その結果、それまで当たり前だと考えて来たことにも、いろんな例外もある時もあるのがわかり、さまざまな困難に遭遇した時の対処の仕方、考え方が柔軟になり、非常に役に立ちました。
思い出してみてください。
あなたは、小学生の時にすべてのテストが100点だったでしょうか?
中学生の時は?
物事の判断をするときに、人は自分の脳のデータベースにアクセスしてそれと照合することによって結論をだすわけですよね。
ところが、自分の判断の拠って立つ根拠となる知識が、仮に小学生のテストのように80点だとしたら、
20%は間違っているわけですよね。
仮に、たがいに因果関係にある2つの事実によって形成されている物事を判断する場合には、
1つ目で80%の正しさ、2つ目で80%の正しさで物事を判断したとすると、2つの事実を基にしてする判断は、0.8×0.8=0.64で、あなたの判断にはすでに36%の狂いが生じている可能性があるわけです。
これは極端な例ですが、仮にここまで行かなくても、これが自分が信頼していた脳というコンピューターの現実だとしたら、結構な狂いだと思いませんか。
「これは絶望的だ。絶対にできない。」という困難な状況に遭遇したとき、本当に100%できないのか、(自分の気づいていない)例外が発生する可能性はないのか、常に考えることで、危機的な状況を乗り越えられる可能性が出てくる場合もあるんですよね。
プロでありながら、常に素人の視点を忘れず、思い込みをせず、常に謙虚に。
これができれば、苦労しないんですけどね。。
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