2008年2月21日木曜日

イージス艦

イージス艦が漁船にぶつかった事件が、連日テレビ・新聞をにぎわしている。さまざまな評論家・専門家が衝突にいたった経緯や原因について、意見を述べているが、イージス艦よりはるかに大きい超大型船を、時には寿命が縮まる思いで操船していた私から言わせれば、要はイージス艦の不注意でぶつかった、それだけの話である。

やれ、沿岸でオートパイロットになっていたのはどうか?、国際ルール(海上衝突予防法)上、回避義務がどちらにあったか?航行の多い海域で見張りが十分だったか? 等という議論は、まどろっこしくて聞いていられない。だって、波も穏やかで視界も良好、そんな状況で灯下をつけた漁船にまともに衝突するのは、不注意以外のなにものでもない。 仮にオートパイロットの状態のままでも、船を避けるのは簡単である(設定進路を指で押して変えるだけでいい)。 国際ルール? 狭い海域を航行する喫水の深い大型船ならともかく、たかだか165メートルの操船の自由の利く船が、親子2名で必死で漁労に従事している小さな漁船を避けるのは当たり前。 法規上の保持船・避航船なんて関係ない(大学の海上法の先生に叱られるかもしれないが。。)。

なにやら、イージス艦では船橋の2名だけでなく、船橋横の左右ウィングにそれぞれ1人、そして船尾にも見張り員がいるというらしい。一般商船だったら、全長300メートル、幅60メートルを超える巨大タンカーだって、船橋に航海士1名、操舵手1名の2名だけである(それに心配性の船長が船橋にいれば、3人になるが。。)。 

結局、今回の事故は、気の緩みがどれだけ恐ろしいのかを思い知らせてくれる。設備、人がどれだけそろっていても、緊張感がないと、考えられない事故が起こってしまう。
また、不思議なもので、気が緩んだ時に限って、危険要因がやってくるものである。

当院で勤めさせてもらって5年になるが、夜診で、「今日は患者さんも少ないし、早く帰れそうだ、よかった。。」等と考えている時に、突然、受付時間ぎりぎりに現れ腹痛を訴える患者さんに限って、案外重症で、穿孔寸前の胃潰瘍(胃が破ける寸前)であったりする。 こういう時に、それまでの若干緩んだ気持ちをもう一度引き締めてしっかり対応しないと、大変な事になる。
だから、私はついつい暇な夜診の時など、逆に緊張した怖い顔つきになったりして、周りのスタッフから冷やかされたりする。

海上でも陸上でも油断は禁物である。

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